2023.04.27 分譲地関連家づくりコラム
家事を楽にしてくれる、家事動線が良い間取りとは? 押さえておきたい3つのポイントをご紹介
2023.04.27
分譲地関連家づくりコラム
家づくりをする上で「生活動線をいかに効率的なものにするか?」は重要なポイントのひとつです。
生活動線には、家事をするための経路である「家事動線」、来客の動きを想定した経路「来客動線」、起きてから出勤するまでの経路「通勤動線」、トイレや浴室へ行くための経路「衛生動線」があります。
中でも特に「家事動線」を重視する方は多いのではないでしょうか。
家事は、快適で健康な生活を送る上で欠かせない労働です。しかも生きている限り終わりがありません。(その割になかなかその大変さを周囲に理解してもらえないのもツライところ)
なるべく効率的に、そして楽にこなしたいと思うのは当然ですよね。
家事を楽にするための動線づくりにおいて、チェックすべき主なポイントは以下の3点です。
・料理しやすい動線
・掃除しやすい動線
・洗濯しやすい動線
今回の記事では、これらについて順にご紹介します。
1.料理しやすい動線に欠かせないものとは?
1-1.料理をしながら家の中を見渡せる対面式キッチン
壁付きキッチンの場合、どうしても家族に背を向けて作業することになります。そのため、作業中は家族との会話もしづらく、お子さまの動きにも目が届きません。また、作業をしている人が孤独を感じやすいというデメリットもあります。
料理や片付けをしながら家族と会話できたり、お子さまの様子を見守ることができる対面キッチンは、結果として料理の効率を上げてくれます。
1-2.パントリー
キッチンにパントリーがあれば、食品のストックや調理器具はもちろん、非常用の備蓄や防災グッズ、その他の日用品などを収納することできます。
キッチン用品や日用品は数が多く、目に付く場所にあると否が応でも生活感を醸し出してしまうため、なるべく見えないよう、綺麗に収納したいと思う方は多いでしょう。
パントリーは、LDKやキッチンを美しくスッキリとした状態に保つための強い味方になってくれます。
1-3.パントリーの位置
パントリーの設置場所が料理をする作業スペースからあまりに離れていると、逆に効率が悪くなってしまいます。
パントリーを設置する際は、作業スペースから食材や調理器具を取り出しやすい動線をしっかりと考えましょう。
1-4.パントリーの大きさ、形状
パントリーの大きさや形状も、作業効率に大きく影響します。
大きすぎると何がどこにあるのか把握しきれなくなりますし、奥行きが深すぎると、有効活用できているのは手前のスペースのみで、奥には賞味期限切れの食材が大量に溜まっている状態、というのはよくあるお話。
パントリーを設置する際は、家族の人数やそこに何を置くのかを細かく想定し、必要十分な大きさ・奥行きで設置しましょう。
なお、ウォークインタイプで出入口が一箇所のパントリーは、空気が抜けにくいため湿気や臭気がこもってしまいがちです。入り口の反対側に換気口や窓を設けるなどの対策を講じておくと良いでしょう。
1-5.パントリーのコンセント
充電式の家電を収納したり、ロボット掃除機の基地にしたりするなら、パントリーにもコンセントが必要です。事前にしっかりとコンセント計画を練りましょう。
1-6.パントリーの照明
パントリーに出入りする時は、たいてい何らかの荷物を持っています。また、出入りする頻度も高め。そのため照明のオン・オフが面倒くさい、という感想をお持ちになる方が多いようです。予め人感センサーライトなどを導入するのもひとつのアイデアです。
1-7.ダイニングテーブルの位置にも一工夫を
料理の配膳や食べ終えた皿の片付けも、テーブルが遠いと大変ですよね。なるべく無駄な動きを減らせるよう、ダイニングテーブルを置く位置も工夫してみましょう。
1-8.二人以上でキッチンに立つ場合は、スペースの確保も重要
親子や夫婦で並んでキッチンに立つことを想定している場合、二人並んで作業できるスペースが有るかをしっかり確認しましょう。
2.掃除しやすい動線に欠かせないもの
2-1.掃除機のコンセントを確保しよう
汚れが気になる箇所を少し掃除するくらいならコードレスの掃除機でも十分でも、家中に掃除機をかけるなら、コードレス掃除機では稼働時間が少々心許ない…というのはよくある話ですよね。
家のどこにいても掃除機用のコンセントを確保できるよう計画しておくと、掃除がとてもしやすくなります。特に、廊下や玄関ホールなどのコンセントは忘れがちなので、チェックしておきたいポイントです。
2-2.収納は必要な箇所に必要な大きさで、なるべく作り付けに
収納に関しては、どーんと大容量の収納を一箇所作るより、必要十分な収納を各所に作り付けで作っておくのがオススメです。
また、棚などは用途が完全に決まっている場合を除いては、なるべく可変式にしておくと使い勝手に幅が出て便利です。
2-3.居室はなるべく凹凸の少ない形に、段差もなるべく少なく
部屋の隅には埃が溜まりやすいもの。部屋に凹凸が多いと、その分埃の溜まる箇所が増え、掃除にも手間がかかります。部屋の形はなるべくシンプルに、凹凸を少なく作りましょう。
また、段差が多い部屋も掃除の手間がかかります。
特にロボット掃除機を使う場合は、段差があると手動で掃除機を移動させてあげなくてはならないため、自動で掃除をしてくれるというロボット掃除機のメリットを活かしきれなくなってしまいます。
2-4.散らかりやすい玄関には土間ウォークインがおすすめ
土間ウォークインは「玄関収納」「シューズクローゼット」など、さまざまな呼び方がありますが、総じて土足のままで入れる土間に隣接した収納を指します。
たくさんの靴を収納できるだけでなく、日常的に使うバッグやアウターなども収納できることから、ウィルス対策やアレルギー対策にも有効。
また、園芸用品やスポーツ用品、キャンプ用品、スーツケースなど、屋外で使うものを収納する場所としても便利です。
置き場に困ることの多いベビーカーなども楽に収納できるので、子育て中のご家庭には特におすすめです。
3.洗濯しやすい動線に欠かせないもの
3-1.ランドリールーム(家事室)
洗濯は動線に工夫がないと、かなり負担が大きくなってしまう家事のひとつです。
例えば、一階で洗濯して、水分を含んだ重い洗濯物を二階まで運び、ベランダで干す。乾いた洗濯物を取り込んだら、今度はそれを一階に運ぶ。一階で、畳んだりアイロンがけをしたりして、再度二階のそれぞれの持ち主の部屋に運ぶ。昔はそういう家事動線のお宅がたくさんありました。
若い間はまだいいですが中年期以降になると、行ったり来たり、昇ったり降りたりを日々繰り返すのは大変です。
そんな洗濯の大変さを解消してくれるのが、洗濯にまつわる作業を一箇所に集約したランドリールームです。家事室と呼ばれることもあります。
3-2.ある程度の広さは必要
ランドリールームの広さは一般的に2~4帖と言われています。狭すぎると逆に作業効率が落ちてしまうので、ランドリールームに置く洗濯機や各種道具類の大きさ、数などに応じて、きちんと作業できる広さを確保しましょう。
3-3.浴室乾燥や「乾太くん」も人気
ランドリールームの関連設備として、浴室乾燥やガス乾燥機「乾太くん」なども人気です。時間や天候に関係なく洗濯物を干すことができる環境はやはり魅力的ですよね。
3-4.湿気とカビには要注意
ランドリールームは洗濯物を取り扱うという場所柄、湿気が溜まりやすくなります。湿気が溜まると臭いやカビの原因になってしまうことも。
ランドリールームづくりは、換気や除湿についても考慮しながら進めましょう。
3-5.環境やご自身の性格も考慮しよう
ランドリールームにこもって一人で作業するのが寂しい、家族がいる場所で作業したい、と思われる方もいらっしゃいます。
お子さまが小さい間はなかなか目を離せないため、ランドリールームがあっても使えないという場合もあります。
ご自身の性格やライフスタイル、環境にランドリールームがマッチしているかどうかもしっかり吟味すべきポイントです。
4.生活動線設計を成功させるコツ
家事動線に限らず、生活動線を快適にするためには、暮らしをなるべく詳細にイメージし、実際の動きをよくシミュレーションすることが大切です。
また、モデルハウスやお友達の家など、いろいろな家を見てさまざまな設備や動線を体感するのもオススメ。家づくりの素敵なアイディアがあれば、迷わず参考にしちゃいましょう。
そして何より重要なのは、その家でどんなふうに暮らしたいのかを設計士にしっかりと伝えること。
ライフスタイルが十人十色であるように、ベストな家の形も人それぞれです。
皆さまがご自身にぴったりマッチした理想の家づくりを実現できるよう、この記事が少しでも参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。